大人のためのワンポイントWeb絵画教室

このページは一般クラス担当講師、蒲生俊紀によるワンポイントアドバイスのページです。

絵を描くときの参考にされて下さい。

ワンポイントWeb絵画教室の項目

配置と構図~4つのパターンを使い分ける

モチーフの配置は大きく4つのパターンに要約されます。おなじモチーフを扱っても置きかたひとつで随分印象が変わることもあります。自分の好きな配置はもちろん大事にしたいところですが、ワンパターンにならないよう色々に工夫したいところです。

背景(バック)について

水彩で、対象であるモチーフをしっかり描き込んだ後で、さあ、バックをどうしましょう?という質問ガ多い。バックが一番難しいと言って後回しにする。ものを描くのに時間をかけて、ほんの少しの残り時間でやっつけて、やっぱりバックは難しいとなる。
対象を仕上げてからでは、背景の選択肢は狭く、気にいる絵にはなりにくいことが多いのです。モチーフとバックが一緒になって一枚の絵になります。モチーフとバックが互いに相談し合いながら制作を進めたいところです。モチーフを例えば3割がた、5割がた描いたところで、バックを入れ始めて画面作りを楽しんで欲しいと思います。
作例はパステル画ですが、バックが変わることで、絵のイメージも、モチーフの彩色も少しずつ変化していることを見てください。背景(床を含む)の明度を右と左で分けた絵、暗めの背景とモチーフに部分的に光を当てた絵、白っぽい背景にモチーフのシルエットを出した絵。背景に使用する色によっても対象物の色の表現が微妙に変わります。
パステル画は変更が楽な画材ですが、水彩はそうではありません。描き出しのうちに大きな計画を立てておきたいところです。

色画用紙の色を活かしてスケッチする

油彩はキャンバスの地をなくし、透明水彩は紙の白さを活かします。パステルの利点は、油絵のように描き込むこともできるし、水彩のように、紙の色を活かす事もできる。しかもそれは、白に限らずどんな色の紙でもOKという事です。同じに描いても紙の色が違えば全く印象が変わる。紙の色を違えるだけで今まで描いたことのない絵が生まれる。紙の色が自分のいつもの絵の色と違うから、それに合わせて、新しい発見がある。新しい出会いがある。どの色の紙が合うのかなんて考えないで、とりあえず手に持った紙の色で始めてみよう。
参考に入れた図版は僕が描いたスケッチです。たまたまそばにあった紙を使い、紙の色を残して描きました。別の色の紙なら、また違う絵になったのだと思います。たまたまの出会いだから、それがあるから、絵は面白いのだと思います。

水彩で試行錯誤する

水彩は直せないから、無理に消すと汚くなるから、紙が毛羽立ってしまうから、難しい。そんな声をよく聞きますが、本当にそうなのかな。描き直しの痕が残っていたら駄目なのかな。油絵は何度も直しができるけど水彩はダメ。ガッシュも鉛筆もパステルもアクリルもできるけど水彩はダメ。それって変だよね。何度も袋小路に迷い込んだり冒険したり、その結果、色が濁って汚れても、用紙がぼそぼそになっても、良しもあしきも自分が悩んだ、考え、行動し、足掻いた、すべての軌跡が残ってくれる。絵は自身の思いの表現です。絵を描くことはテクニックや手順では無く、試行錯誤することなのだと思います。
この絵は一度雑誌に掲載したものですがコメントを全く変えています。曇り空から晴れ間、そして予定外の絵への動きです。

パステルで、直接画面に描き出す

パステルは、顔料の粉を水とわずかな糊で練って作られた画材です。食材に使われるパスタと『練る』という意味で、語源が一緒です。今回は6号の白いスケッチブックにソフトパステルで制作します。

 

鉛筆で下描きをしてから、書き始める人が多く見られます。定番表現方法のひとつですし、決して間違っている訳ではありませんが、彩色の際、塗り絵の作業になってしまい、出来上がりの色に物足りなさを感じる人も多いようです。
〈絵をクリックすると絵が大きくなります〉

パステルは、色や形、構図などの変更が簡単にできる画材です。
描くことを「作業」ではなく、「試行錯誤」すること、と捉えると表現することはとても深く、面白くなります。

構図のポイントー遊びの空間を活かすー

DSCN10

指導中、よく聞かれることの一つに、「ここが空いてしまいました。」「この空いてる場所に何を置いたらいいでしょう?」というのがあります。
画面に空いたところがあってはいけない。空いた場所に何かを置かなければ間がもたない。」と感じている方々が多いようです。
でも、実際には、空いたところは、空いたままに。もしくは、意識的に空きを作った方が、印象的な画面になる事も多いのです。

風景スケッチを例にしてみます。

★建物を大きくとった講図
天地(空と地面)をそれぞれ、程よく入れています。これを基本形とします。

 

絵をクリックすると絵が大きくなります。


★制限された四角形の中に描かれた世界では、空いたところ、余白、は意外に雄弁です。

スケッチとは

対象から受けた印象を短時間で的確に表現する行為、またはその作品です。対象の正しい形や色ではなく制作者が受けた印象であり、正確に、ではなく的確に、ということがポイントです。

“正確”は答えが一つですが、印象を的確にとなると答えは無限に生まれます。スケッチの楽しさ、絵を描くことの楽しさはここから始まります。

 

表現のワンポイント

『路地を描く』

同じ景色を建物の角度をずらして描くことで陽なたと陽かげのイメージを描き分ける。

(A)陽の当たる路地

 

(B)陽のかげる路地

 

 

 


構図のワンポイント・レッスンースクエアー(正方形)で構成するー

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構図がとれない。難しい。構図に自信がない。という悩みをよく聞きます。確かに構図に不安があるままでは絵が進みません。自分が任意に置いた位置には自信がないけれど、定番の位置、数学的な位置なら、一応納得できそう。という方は多いようです。そこで今回は、定番の一つ、スクェアーにあてはめて構図を決定してしまおう。という話です。

 

用紙のほとんどは長方形のサイズです。正方形に近かったり、細長かったりですが、要領は一緒です。

用紙を縦構図と横構図上下を入れ替えて4パターン作りました。


4枚の絵は全て、床面と背景との境を点線の位置に合わせています。

また、青い背の高いビンのアウトライン(右側、左側のいずれか)も点線の位置に合わせました。他のモチーフは、適当な置き方です。

 

スクエアーは、四角形の中でも最も特殊で完全な形を持っています。画面作りの〝要〟にスクエアーを利用することで、自然に計算された、安定した構図が生まれるのです。

 

スクエアーが必ずしも良い構図という訳ではありませんが、画面作りのひとつの手助けになれば、と思っています。